基板上の配線材について。

ちょっと前にMPLAB X IDEでプロジェクトを開始する。という記事を書きました。それに伴って、Microchipの開発ボード EXPLORER 8がどこかに行ってしまったので探していたのですが、ようやく見つかりました。
このボードはACアダプタ用のDCジャックもありますが、microBのUSBコネクタも付いているので、電源供給はUSB側からできます。ボード上にUSB-I2C/UART変換のMCP2221が載っていますので、Windows側にドライバをインストールすればPICからのprintf出力を見ることができます。

最近はMicrochipの8bit MCUだとCuriosityという開発ボードもあるようで、こちらのボードは3,000円くらいとずいぶん安く手に入ります。MCUの載せ替えでいろいろと対応できるのと、USBからファームウェアの書き込みができるようなので、ちょっと試したい向きにはよいかもしれません。

ところで開発ボード単体でアプリケーション開発ができるようならばいいのですが、実際にはセンサやスイッチ、モータやリレーなどなど、回路部品などを追加することも多いです。
回路の追加は、ブレッドボードなどを使う、ユニバーサル基板を使って配線する、エッチングで基板を作る、などの方法があります。が、ブレッドボードだとちょこっとテストするにはいいですが接触が不安定だったりちょっと触ると配線が外れたりという問題点があるので、ちゃんとした開発プラットフォームを作ろうとするとはんだ付け作業は避けて通れないものとなります。

以前はリード線(AWG24とかAWG28)を使うことが多かったのですが、電源系ではなく信号系の場合には最近はUEWを使うことが多くなっています。

UEWはポリウレタンエナメル線(polyUrethane Enameled Wire)という名称で、マグネットワイアの一種です。ウレタン線とも呼ばれています。コイルやトランスなどを巻くための絶縁被膜を持った銅線のことです。単なるエナメル線と異なり、被覆を剥がすのにポリウレタンが熱で溶けるのでジャンパワイアの配線や信号を取り出して評価するときなどに重宝されています。

被覆ははんだごてを使って溶かします。こて先にはんだを少量とり、そのはんだの中にウレタン線の先端部分を突っ込むとすぐに被覆が溶けてはんだ付けできるようになります。被覆部分は絶縁されているので、ショートの心配もありません。これがリード線だとワイアストリッパを使って被覆をカットして、予備はんだをしてからはんだ付けという手順です。
ちなみに信号線の場合にはコテ先温度は360℃(鉛フリーはんだの場合)を標準としています。これより高いとはんだがすぐにデロデロになってイモやツノになってしまうのと、コテ先チップの寿命が短くなるためです。熱容量の大きな電源プレーンに繋がっているGNDや+5Vなどに電線をはんだ付けするときには、信号用ではなくより太くて熱容量の大きいコテ先に取り替えます。ちゃんとはんだ付け教育を受けていない人は450℃にしたりしますが、これをやると基板もコテ先も痛みます。下手をすると銅箔が基板から剥がれてしまうので注意します。

以前は予備はんだされたジュンフロン線などを使っていましたが、0.5mmピッチのQFPの足にジャンパ線をはんだ付けするような場合にはちょっと太かったりするので、AWG28あたりのウレタン線は重宝します。

ウレタン線は基板上配線で使うとき、ピンセットの先などで直角に曲げることもできますが、配線の際にはできるだけ鋭角は作らないようにしたいものです。また、空中配線になると引っかかってもげることもあるので、配線したらホットメルトなどで基板に固定しておくことも大切です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Vimの補完プラグインをインストール。その4

Vimの補完プラグインをインストール。その3 で、 ddc-tabnine が使えそうです、などと書いたのですが、早速やってみました。 まず、tabnineのバイナリを用意しないといけません。がどうにもTabNineのサイトがわかりにくいので、 tabnine-nvim にあるダ...