鉄製品の錆落とし。その2

鉄製品の錆落とし。では、サンポールを使ったらどうなるのかをちょっと考察してみたわけですが、サンポールの主成分である塩酸は酸化力が非常に強く、錆は落とせてもそのあとすぐにまたオレンジ色の錆が出てきてしまうため、洗浄後はよく水で洗いでからすぐに水置換性のオイルを塗るなどの対策が必要です。

一方で市販の液体錆落としはリン酸を使うものがけっこうあるようです。モノタロウなどで扱っている鈴木油脂工業の液体サビおとし S-012などがそうで、リン酸とグリコール系溶剤、非イオン系界面活性剤が成分です。

リン酸によって錆を落とすと、その後リン酸鉄の被膜が表面にできるためにすぐには酸化しにくくなります。この皮膜を生成する処理を「リン酸塩皮膜処理またはパーカライジング」といいます。

そういえば小学生の頃、御徒町にあったMGCのモデルガンショップでガンブルーという小瓶の液体が売られていて、それを購入してモデルガンに色付けしたことがありますが、たぶんそれもリン酸の水溶液がベースとなっていたのでしょう。このとき生成されるのがリン酸第一鉄で、酸素に触れると黒鉄色に変化します。

大きいものや錆を落としたい鉄の量が多いときには廃糖蜜を使うといいようです。
大きいペール(漬物用の樽など)に廃糖蜜を1:10で水で薄めたものに、錆びた鉄を数日から数週間浸けておくことで錆が分解されリン酸塩皮膜が形成されます。廃糖蜜はサトウキビやテンサイなどから砂糖を精製したあとの副産物で安く手に入ります。

ボール盤とバイス(万力)、ちょっとどうなのよというくらいに錆びてしまったのがあるので、近いうちに錆取りしてみようと思います。さすがに廃糖蜜を使うのは場所もないので、上記の液体サビおとしを使って、モルタルを練るのに使ったトロ舟で刷毛塗りしてしばらく放置してからやってみようと思っています。

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