ファーム書き込みジグを作ってみる。アクリル設計編

仕事で設計している基板はPICマイコンを搭載していて、中国のPCBCartに製造(基板製造、部品購買、実装)をお願いしているんだけれど、納品された状態ではファームウェアが書き込まれていません。

なのでこちらで書き込む必要があるのですが、ICD3を使うにせよPICkit3を使うにせよ、数をこなすとなるとなかなか面倒です。アダプタつないで書き込みケーブルつないで、と。
そこで、アクリル板と金属スペーサーを使って書き込み用のステージを作ることにしました。

まず基板のサイズとアダプタのプラグ固定のためのスペースを見繕って、FreeCADで3Dモデルを作ってみます。

こんな感じ。


仕様は3mm厚のアクリル板で、サイズは80x120mm。下の板は金属スペーサー用の3.2φのキリ穴が4つのみで、四方の面取りだけしています。上の板はDCジャックを通す穴と、基板固定用の3つのピン。あとはサブ基板を裏に貼り付けてテスト用の金属プレートを貼り付けます。3つのピンは3.2φで深さ2mmの止まり穴をあけておいて、そこに3φのアクリル棒を5mm程度の長さに切ったものを接着剤で固定しようと考えています。

一応3D図面はできました。FreeCADではここから三面図などの2D図面に落とすのは少々手間がかかるのですが、今回は作るのは1台だけなので余計なことはしたくありません。アクリル板を買ってきて、ノコで切ってドリルで穴あけ…すればできるのはわかっているのですが、どうせならきれいに作ってみたい。

そこで、カインズホームのデジタル工房でレーザー加工機があったのを思い出しました。
データを持ち込めば20分1500円でやってくれるようです。さらにレーザー加工ならば、元データが正確ならばきちんときれいに加工できそうです。

利用方法を調べてみると、カインズで材料を購入してからデータをSDカードかUSBメモリで持ち込み、Adobe Illustrator CCを使ってデータ読み込み、線に色を付けてから色データと加工種類を関連付けて「印刷」とすればいいようです。

さらに調べてみると、ここで使っているレーザー加工機はtrotec Speedy300とのこと。彫刻、カット、マーキングができるようです。彫刻ができるなら止まり穴も開けられるかも。

ということで手持ちのツールでデータを作成できるかどうかを調べてみました。Illustratorはいわゆるドローツールなので、Inkscapeで同じことができるかもしれません。Inkscapeのデフォルトのファイル形式はSVGです。一方、FreeCADもSVGへのエクスポートは可能です。そしてIllustrator CCは体験版をダウンロードしてみるとSVG形式は読み込めるようです。こちらにも扱えるファイル形式の一蘭がありました。
つまり、こちらサイドではFreeCAD→Inkscapeでデータを作成しておいて、それをカインズに持ち込んでIllustratorで読み込めばうまくいきそうです。

まずはFreeCADで作成したプレートをSVGでエクスポートします。
部品はひとつずつ処理したほうが間違いがないので、まずは上プレートをやります。
Part ワークベンチで加工面を正面にして表示し、モデルを選択します。


その状態で "File" → "Export" → "Flattened SVG" を選択して出力します。同じことを下プレートでも行います。

次にInkscapeを起動します。
用紙サイズを設定しますが、カインズのオンラインストアで調べてみるとアクリル板のサイズは180x320mmが標準のようです。3mm厚ということだと、アクリルEX板001透明180x320x3ミリがよさそうです。ちょっと高い気もしますが。

Inkscapeで用紙サイズを320x180(横長)に設定し、先程出力したSVGファイルを並べます。ワークサイズが大きいので、ついでに下プレートをもう2枚取ることにします。何かで使えるかもしれないので。


上プレートはピンを立てるための止まり穴が3つあり、マニュアルでは彫刻部分の線の色を変えるように書かれています。なので上プレートを選択してグループ解除し、止まり穴の色を変えました。"ストロークの塗り"を選択して、RGB=255:0:0の赤を選択。


マニュアルではベクターデータにしろとあるので、一応すべてのオブジェクトのグループを解除しておきます。そうしたらこれを「アクリル板カット用.svg」という名称で保存しました。

次にこれをAdobe Illustrator CC体験版で読み込んでみます。


ちゃんと読み込めているようです。ただ、オブジェクトをクリックすると全部まとめて「パス」ということになっているようなので、右側のクイックメニューから「グループ解除」してみました。その状態で各パスの長さを見てみるときちんと設計通りになっているようなので、色を付けるところまでやっておけばあとはデータを持ち込んで読み込み→グループ解除でいけそうです。

早速明日やってみます。

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