アンテナケーブル。

最近は地上波デジタル放送とか衛星放送とかで搬送周波数が上がってきていて、さらに4K/8K放送もあるのでアンテナ(お皿)とテレビとかレコーダーを買い換える人も増えてると思うのですが、家を建てるときにケーブルを壁中に埋め込んでしまっているので、そのままのケーブルを使っている人もいるようです。

簡単にまとめると、従来のBS/CS110は右旋円偏波という電波にのみ対応していますが、4K放送の場合には左旋円偏波のチャンネルがあり、左旋円偏波に対応したアンテナがないと受信できません。またケーブルやブースター、分配器、分波器などについては3224MHzまで対応したものを使わないと減衰が大きく、正常な受信ができない可能性があります。

機器類についてはSHマークなどの形で対応・非対応がラベルに表示されているのでわかりやすいですが、アンテナケーブルについてはちょっとわかりづらいのでまとめてみます。
ちなみにSHマークは以下のようなものです。


現在ではアンテナケーブルはほとんどが同軸ケーブルになっています。テレビ放送受信用の同軸ケーブルはインピーダンスが75Ωになっていますが、使用される素材によって周波数特性が異なり、一般には高周波になるほど減衰しやすくなっています。減衰すると信号が弱くなり、ちょっとした天候の変化でブロックノイズが増えたり映像が止まったりするようになります。

アナログ放送の頃は5C2Vという規格のケーブルが多かったですが、衛星放送が始まってからはS5CFBという規格のケーブルが必要になってきました。S5CFBでは芯線は軟銅線、それを発泡ポリエチレンの絶縁体で覆い、アルミ箔、編組線で覆っていき、最後にビニール皮膜となっています。ここでインピーダンスの75Ωは、絶縁体の発泡ポリエチレンの誘電率と、アルミ箔と芯線との距離で決定されますが、柔らかい素材の発泡ポリエチレンが潰れたりするとその部分でのインピーダンスが変化してしまうために損失が増えてしまいます。特に室内での取り回しでは、ケーブル固定時に金具などで潰されてしまうということが起こりやすいので注意が必要です。S5CFBにはアルミ箔を2重にしたS5CFB□という規格のケーブルもあり、これは外来ノイズにより強いという特性があります。
一方、インピーダンスの特性をアップして低損失化するために高発泡ポリエチレンを使用したS5CHFBという規格のケーブルも出ていますが、これはさらに潰れやすい素材のためにシースを固くしてあり、屋内での使用には向きません。
また、屋内では取り回しのしやすさを考慮して一回り細いS4CFBを検討してもよいでしょう。

ということで、4K/8Kを含めた衛星放送を受信するには、最低でも屋外ではS5CFBケーブル、屋内ではS4CFBであることが必要です。

アンテナケーブルは数十cmから1mごとくらいに型番が印刷されており、そこを見ればケーブルの種類はわかるのですが、それ以外にも見分け方があります。

まずケーブル太さですが、S5CFBの 5 は絶縁体の直径を表しています。そのため、ビニル被覆まで含めた直径はおよそ7.7mmあります。より細いケーブルでS4CFBというものもありますが、これは外径が6mmで、取り回しは楽になりますが特性的には減衰がS5CFBよりも大きくなります。

古いアンテナケーブルだと絶縁体が半透明のものがありますが、これはポリエチレンで、衛星放送には対応できません。ふわふわした真っ白の絶縁体であることが必要です。また、ビニル被覆を剥くと編組線(編み線)がありますが、これが銅色をしていれば2K用です。この場合には型番も5CFVとなっていると思います。4K/8K対応品は錫メッキされているので銀色になっています。

ということなので、手元に余っているケーブルの編組線が銅色のものは今後間違って使うのを避けるために捨ててしまうのがよいかと思います。

そういえばF型接栓の予備がなくなってるから買ってきておかないと…。

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